終煙誘導法セミナー

終煙誘導法に関するセミナー

2008/10/25
愛媛県総合社会福祉会館

終煙誘導

テーマ 禁煙指導の光と影:終煙誘導法の可能性について
講師 国友史雄 千葉労災病院呼吸器内科部長

 国友先生の終煙誘導法に関する初めてのセミナーを愛媛県松山市で開催することができました。国友先生によりますと今後は首都圏を中心に同様のセミナーを開催していくそうです。セミナーはまず初めに私藤浦が『禁煙せずにタバコをやめる』及び『終煙誘導法』についての概要説明を、従来の禁煙指導との違いや『禁煙せずにタバコをやめる』を思いついたきっかけなどを含め、約30分行いました。

 後半は国友先生が「禁煙指導の光と影:終煙誘導法の可能性について」のテーマで約1時間講演されました。禁煙指導を始めた頃の話、またリセット禁煙についての話し、『禁煙せずにタバコをやめる』の概念を取り入れ禁煙外来を「卒煙外来」に変更したこと、更に元喫煙者に対する調査研究を元に学会で「終煙誘導法」として発表されたこと等、時系列に沿って話して頂きました。

また、心理学的なアプローチとして認知行動療法の第三世代としての終煙誘導法の解釈など興味深い話もあり、あらためて国友先生の研究熱心な取り組みに驚かされました。心理学的なアプローチは禁煙を何度も繰り返し、依存が大きくなった患者さんに有効なのだそうです。

禁煙指導が保険適応になり多くの医療機関で禁煙指導が行われるようになりました。ニコチンパッチやチャンピックスを使い禁煙に成功される方がいる一方で、途中で脱落される方も多いと聞いています。終煙誘導法はきっぱりとタバコをやめた元喫煙者に焦点を当てた手法で、禁断症状などもほとんど無く、国友先生のもとで着実に成果を上げています。

更に、終煙誘導法は入院中の喫煙者に対して非常に有効であるという報告がありました。外来の患者さんと比較して、非常にスムーズに終煙誘導できるそうです。今後は労災病院を中心に入院患者さんへの終煙誘導を積極的に行っていくそうです。


国友先生の感想

国友先生

 今回、終煙誘導法に関する初めてのセミナーを松山市で開催できたことを 嬉しく思います。このセミナーの開催は小さな一歩ですが、終煙誘導法を広く知ってもらう為には大きな一歩になったと思います。

 禁煙指導の現場ではやめたいのにやめられないと訴える喫煙者に方に多く接している為か、努力もしないできっぱりとやめた人を「特別に意志の強い特殊なケース」と考えがちです。しかし、一般社会に目を向け調査してみると、確実にやめ続けていける人の中では,努力もしないできっぱりとやめたという元喫煙者は決して少数ではないことが分かります。むしろそういう状態だからこそやめ続けることが出来るとも言えます。

 今後は終煙誘導法をより実用的に発展させ、実績を積重ねて広めて行きたいと思います。